僕が特別な人間で、僕がこんな風になったのも全部僕を買った妻と僕を見捨てた周りが悪いんだ。僕には何にも否がない。

潤平は自らを完璧な人間と思い込むあまり、肥大妄想が膨らんでいた。

当たり前だろう?
みんな僕のことが好きでしかたないんだろう?

だけど、どうして周りは僕から離れていく?

どうして正しいことをしている僕をせめる?

僕だけ幸せになれば周りは不幸でも構わない。

みんなが不幸なのはみんなのせいで、僕が不幸なのはみんなのせい。

だから僕はこんな惨めな自分が自分のなかに存在していることがありえないんだ。

潤平は理想をそのまま現実として処理をする一方であった。