僕は悪くない。
僕は今、女社長に飼われているんだ。
僕は他人を利用することでしか自分の存在価値を見いだせない。
そんな人間だから…だから、だからいつも決まって嘘をつく。

潤平にはこんなことは当たり前だった。

潤平は翌日自宅に帰った。いつものようにママみたいな年上の妻が僕にご飯を作ってくれて、生活の世話をしてくれる。
お金がありあまる程ある。
別荘だって何だって僕はもっている。
僕のほしいものは妻が全てうめてくれる…全て…。

そんなふうに空っぽの空間を潤平はさ迷う。