これが琴美の生きてきた苦しみだった。

そんな時、僕らは出会った。
まるで、お互いが逆の未来へ進むみたいに。
お互いがないものをほしがるみたいに。
君はいつでもひとりぼっちで、僕は誰かと一緒でなければ居られない。
それが違っていた。

僕らはbarで知り合ってから、何度かメールをやりとりするうちに、なんとなくひかれあっていた。
潤平は琴美が笑う顔がすきだった。
琴美は明るい人間で、ぼくなんかより何一つ苦しみがない。そう見えていた。

2人が近づき始めた頃、潤平は琴美の気をひきたいからオシャレなバーに連れていった。
そこで、潤平は琴美に言った。

潤平「ねぇ、友達になろう。」


そう言ったくせに潤平は琴美を道具だと思い、そのまま手をひいてホテルに連れていった。