誰かのために生きること。
誰かのために尽くすこと。

彼がお金がないというならば、お金をいつも渡した。
それを当たり前に貰う彼。だけど琴美の気持ちは一向に満たされないでいる。

なんで私はこんなにしてあげてるのに離れていくの?
どうして私の気持ちがわからないの。

それが裏返しとなって、怒りとなって爆発する。そして別れが来ると深く傷が開くばかりだった。
だからそんなこと、こんな気持ちは誰にも理解されない。
私は頼っちゃ、だめなんだ。言ってはいけないんだ。だから、決まって口癖はこうだった。

大丈夫だよ。

本当は大丈夫じゃないのに。だけど誰にも言えない。こんな私は価値なんてない。自分を責めて自分を苦しめた。