それからというもの、琴美は誰かのために生きる。それが当たり前となっていた。
だけど、誰に物を与えたりしても、寂しさで理解してほしい言葉が裏返ってしまうのだ。
そしていつも自分のほしいものは誰もくれないまま、捨てられる。繰り返しだった。

自分の稼いだお金は他人の手によって奪い尽くされる。

よってくる人は皆、平然と琴美の同情を煽った後最後は利用するだけだった。
相手に感情の理解はなかったのだ。

ある日、琴美の唯一の居場所でトラブルがおきる。琴美は真面目だから、言われたことはきっちりやる性格だった。そんな琴美を見かねて、たかという男が声をかける。

たか「琴ちゃんばかり毎日毎日あの男のために体を売ってがんばっておかしい。他の子はみんな適当なのに、そうゆうのいった方がいいよ。」というのだ。

それを直接男に言う勇気はなかった。

だからその男が面倒をみているであろう他の女の子を琴美はとりいれて味方につけた。
しかし、人間弱いものには従わないのが心理だ。
誰かが琴美の言った愚痴をそのまま伝達して筒抜けになっていた。

あんなに賛同していたのに…
言えっていったのはたかさんなのに…

周りにいた女の子も裏と表の顔を使い分けて、強い方につく。あんなに全員賛同して悪口だっていったくせに、言えといった、たかさんまで知らぬ顔をしている。

たか「いいえ、僕はしりません」
そう、たかはいいきる。

琴美は世話になった男にいった。

琴美「なんで私なの?たかさんが言えってゆったから…。」

子供ながらにストレートに琴美は理由を告げた。親の奴隷で育った琴美に自分の意志はなかった。

男「人のせいにするんじゃねぇ。文句いうならテメーが未成年で売りやってること親にチクるからな。お前の家も全部知ってるんだ。」


そう言われ、口論へと発展した。
警察にもいけない。だけど親にも言えない。
追い詰められて琴美は頭を抱え込んだ。

そのとき、たまたまお客できたヤクザの人がいた。たまたま連絡を交換したのがラッキーだった。連絡をして事情を説明した。

琴美を脅迫した男は、いつも自分はヤクザだとほらを吹いていた。
事の全てを相談したのだ。
すると後日、琴美は一人のヤクザのお陰でなんとか助けられた。
見かけは怖いけれど、すごく優しい。
人は見た目ではなくて、本質を理解しなければならないと気がついた。