潤平はまさととして日々の仕事に追われる毎日を過ごすなかで過去に関わりのあった女のことなど当たり前に忘れていた。

いつものように仕事をするまさとの飲み物のなかに誰かが薬をいれていた。

仕事がおわり、アフターへいこうと女と外へでる。
なんだか目が霞むのだ。
街のネオンがグラグラとゆれる。

まさとが意識を失ったのはいつだろうか?
気がつくと潤平は見知らぬ場所にいた。

薄暗い雑居ビルの一室だろうか。
コンクリートで覆われたその場所には光すらはいらない。周りを見渡すと、潤平は見知らぬ男に囲まれて自分の手足はロープで縛られていた。
そして一人の男の中に女が一人いた。
それはいつも僕の言うことを当たり前に聞き、金を思い通りに使う女の一人だった。

女「ねぇ、千花って覚えてる?千花は今どこにいると思う?」

まさと「知らないな。そんな女。」

潤平は、内心やられた。と思い、この場から逃げ去るための理由をとっさに考えるのに必死になっていた。

このまま、ここにいれば俺は殺されちまうかもしれない…
脂汗がにじみ出る。さすがに焦りを隠せずにいた。

女は続けてこう言った。

女「ねぇ、私がもし、千花だったとしたらあなたどうするかしら?」

潤平はハッとした。
なんとなく聞き覚えのある声…その女は千花だった。