その夜、潤平は久しぶりに夢をみた。
家族の夢だった。家族が目の前で心中する夢。
それを見ている僕がいて、最後は誰かが僕を…!


はっ。として目が覚めた。
目が覚めて時計に目をやると四時だった。

汗だくのシャツを着替えて頭から冷たいシャワーをあびた。そして、また眠りにつくと、今度は誰かが泣いていた。

誰だろう?
小さな男の子が膝を抱えて泣いていた。
僕は不思議とその子に話しかけていた。だけど男の子は顔を見せようとしない。
だから僕はいつもみたいに強引に髪を引っ張り振り向かせると、血だらけの顔をした男の子が笑いだし僕の顔目掛けてカッターをつきさした。

そしてまた夢から目覚めた。

この日から毎日潤平は悪夢にうなされ、ろくに眠ることがまたできなくなっていた。