しかし毎晩毎晩同じ夢を見ていては潤平は眠れずにいた。
その夢は僕という人物だけを苦しめるかのように毎晩決まって現れた。
まるで舞台の上で、スポットを浴びるような感覚だった。

血のつながりのない一家が僕の目の前で心中する夢。そして最後は僕を殺そうと僕の胸に包丁を勢いよくふりかざされる。

バっ!!
潤平はまた自分が死ぬかもしれないとゆう瞬間で目が覚めた。
またひどく寝汗をかいていた。真夏の部屋の温度は涼しいはずの26℃に設定していたけれど、ひどく高鳴るドクンドクンと鳴り響く心臓の音が、ただ静かな蒸し暑い夜に響いていた。