事件から一ヶ月半が、過ぎニュースや新聞での騒ぎが少し落ち着いた頃、潤平はようやく実家に帰る。

家族は全員前のような明るさはなく、家の中は静まりかえっていた。
母は以前の元気な母ではなくなり、心底やつれていた。
潤平はそんな母にこれからをどうするのかを聞いた。
すると、母の口から驚くべき言葉がでた。

母「こんな巨額の借金、返せそうにもないから一家心中しましょう…そうすれば保険金がおりるから少しだけでも返済ができる。それに借金に追われることもないから…。」

潤平は何故か瞬間的に答えていた。

僕「だめだそんなの。絶対にいやだ。そんなの、血のつながりのない僕には関係ないだろ!!」

そう怒り叫ぶ潤平に母は静かに答えた。

母「あなたはわからないのね。どれだけ家族があなたの事を黙認していたのかも…。」
そう呟く母親に潤平の怒りがこみあげた。

僕「俺だってこんな所に来たくてきたんじゃねぇ。死ぬなら全員勝手にしぬなりなんなりすればいい!僕には関係がない!僕は自由を生きるんだ!こんな家族は最初から真っ平だ。親父の借金のかたなんか血のつながった家族だけにしろ!」

そう罵声を浴びせ僕は母や兄弟を黙らせたまま
一人自宅に帰っていった。