これは僕への罰なのか?
潤平は黙々と考えた。
今手元にあるお金は盗んだ1000万。
きっとこれもそのうち差し押さえがくるに違いない。
そう思って潤平はその金を預金通帳から全額ひきだした。このときばかりは今まで父の財布から幾度となく盗んだ金のことを反省した。
反省したのは父にではなく、僕がこんな形で不利になったから…そう潤平は自分の過失が自分を苦しめた事への反省だった。
そして、この事件をきっかけに潤平は家族に連絡をした。

独り暮らしを始めて一年半の月日がたとうとしていた。
潤平は一年半ぶりに実家に電話をかけた。誰も電話にでる気配はない。当然だ。借金の取り立てがくることくらいわかりきっているからでるはずがない。
久しぶりに実家に帰ろう。そう決意した。