僕がそんなふうに琴美と話しているとき、琴美はコウタに結婚を申し込まれる。

寂しい気持ちも孤独や苦しさも人一倍しっているけれど、私は一体どうすればいいのだろう。
なんて言えばいいのだろう。
嘘をついたことすらない。
嘘はつき続ければ一生つかなければいけないもの。
これからの自分を自由に生きるのか、誰かのものになるのか…

そんな琴美の気持ちなんか知らずに潤平は琴美を自分のものにしようと自分勝手な事をいった。

「僕が借りているマンションの一室にすめばいい。」

日々の生活が苦しそうな彼女を後目に潤平はそう口走っていた。