潤平とコウタはよくにていた。
人間の形をした獣。そんな言葉がピッタリなのかもしれない。
だから純粋で無垢な物に時折輝きを求めるのだろう。

一度そこに足を踏み入れたのならば、もう二度とは戻ることのできない世界。

琴美が一番誰よりも苦しんでいて弱かったのかもしれない。

潤平の頭には時折、彼女の泣いた顔や大丈夫という姿がよぎる。
だけど、どうしてなのか僕らはないものねだりを、無いものに求める。不思議だ。