次第に潤平は部屋に閉じ籠るようになった。

そして、現実を生きる琴美が自分の欲しいものを全部もっている気がしていた。

行動力
発言力
感情を理解すること

全て潤平にはかけていた。
それを繕うために、他人をこき下ろす。
そうすれば、少し自分の価値があがるようにみえるからであった。


琴美が傷つきながらも他人に優しくなって、強くなっていく。自由に進んでいる。それが理想の自分だと潤平は思った。

潤平という僕は琴美みたいになりたくて、そのまま男として僕が琴美になりきったように思っていたんだ。理想の僕は現実では愚かな、ちっぽけな人間だとも認めることさえできないのに…