「大丈夫だよ。…オレこの子と帰るから。どけてくれるよね?」


先輩がいつもより低い声で言うと、彼女さん達は顔を強ばらせてさっと道を空けてくれた。


「じゃあ、帰ろっか。凛ちゃん」


「…はい」


あたしが頷くと、先輩は何のためらいもなくあたしの手をぎゅっと握って歩き出した…。