「ここ、ついてますよ?」



先輩から見て分かりやすいように、指差したつもりだったんだけど、それじゃあわかってもらえなかったみたいで。




「え?どこ?」

先輩はほっぺたを首をかしげながら触ってる。

「…ここですよ。ん、おいしい」



先輩の左の頬についていた小片を取って口に含むと、ちゃんといつも通りの味に仕上がっていた。



「…凛ちゃん」



「はい?」



味見、忘れてたから良かったと内心ホッとしていると先輩がいつになく真剣な眼差しでこっちを見ていた。