がっつり顔を見られたから注意しなければならない。
「どうすっかなー……」
怪盗ソウドの盗み方は二パターンある。
一つ目は、人があまりいない所から通って、ダイヤが入っている容器の開封方法を探す。
二つ目は、少々荒いが直接乗りこんでダイヤがある容器を割り盗む。
今までは前者のほうだったが、今回は仕方がないから後者の方にする。
内ポケットから黒の皮の手袋を取り出し右手にはめる。
ちなみに俺は左利き。
もし、利き腕を怪我したら生活の中では大変だからだ。
ニャー
……?
鳴き声をした方を見たら、そこには黒猫が座っていた。
「何でだ」
まさか……
「お前、ついて来たのか?」
ニャー
「……マジか」
俺は顔を押さえた。


