「ななが来るまで待ってたら、猫が近づいてきた」


刃は猫(黒猫)を撫でながら言った。


ニャー


猫は嬉しそうに喉を鳴らしている。


「この猫、人懐っこいから触れると思うぞ」

「……いいの?」


猫派のあたしにとって嬉しいことだ。


「あぁ」


刃の隣にさりげなく座る。


そして、猫の頭を撫でようと手を伸ばした。


が、


シャーッ


「わぁっ!?」


猫の突然の威嚇に慌てて手を引っ込める。


猫は刃の足の後ろに隠れた。


「……」


「……猫に何かしでかしたか?」


「してないよ! てか、あったばっかだし!」


刃が不審に聞いてきたのであたしはすぐに否定した。


ニャー


猫は刃の手を舐めている。


「……刃とあたしに対しての反応違くない?」


「気のせいだろ」


絶対違う!!


なんか猫に対して敗北感を感じるのは気のせいだろうか。