すっかり忘れていた。


今朝、刃に「今日生徒会があるから遅くなる。 鍵渡しておくから」と言われてたんだ!


でも、家が近くて良かった。


幼なじみバンザイ!!


「刃、ごめん! 鍵持ったままだった」


遠くにいる人、刃に向けて叫んだ。


ニャー


「…………え?」



あたしは後数メートル先で立ち止まった。


刃はというと玄関前のコンクリートの上に座り一匹の猫とたわむれていたのだ。


「なな、お帰り」


刃はあたしに気づき、素っ気なく声をかけた。


「……ただいま。 で、何してるの」


あたしはあ然としながら聞いた。


「猫とたわむれていた」


「見れば分かるよ」