「……という事何だけど、刃には生半可な気持ちだと伝わらないから」


注意ねとそう言って、ななちゃんを見る。


「……わかりました」


そう言って頷いた。


――♪~……


「あらっ、電話」


――ピッ


「はーい」


『俺だ。 悪いがななそこにいないか?』


「いるよ! それでどうしたの?」


『家の鍵がないから入れないんだよ。 今朝ななに渡したんだが……』


……あぁ。


「分かった。 ななちゃんに言っておくね」


『悪いな。 頼む』


――ブッ


――ツーツー……


ケータイを閉じた。


「……ななちゃん」


「はい?」


「家の鍵持ってない?」


「家の鍵ですか?


……あ、持ってます」


「そう。 だったら早く言った方がいいよ。 刃、困っていたから」


「えっ! 刃からだったんですか!?」


ななちゃんは慌てて立ち上がる。


「あたし、行きます! 留宇さん相談に乗ってくれてありがとうござました」


私に挨拶をして、ななちゃんは出て行った。


「気をつけてー」


私はななちゃんの背中を見送った。