満月と怪盗と宝石と


「……で?」


「えっ?」


女の子は驚いたようだ。


「俺の何処がいいわけ?」


「そ、それは……」


予想外の質問に女の子はしどろもどろとしている。


だが、それは聞いていた四人も同じだ。


「やっぱ……顔?」


「あー……」


「リホはどう答える?」


「うーん、あのコの事だから……大人びた所?」


「あ、俺もそう思う」


「ユウマも?」


「……ちょっと、クイズではないから」


その三人の答えはあっていたのか――


「刃君を始めて見たときかっこいいと思って、それに雰囲気が他の人とは違うから」

と、女の子は質問に答えた。


「ふーん……」


刃、その返し方はどうなのよ……


「それに、刃君と付き合えたどんなに嬉しいかって」


えへへと女の子は笑った。


「……だったら、俺以外の人と付き合えばいいじゃん」


「……えっ?」


刃の声はなんだか冷めていた。