〈留宇side〉

たしか、中学二年の時だったわね。


その時は放課後で、私と刃は数人の友達と話してたわ。


すると、廊下側から戸を開く音が聞こえて、一人の女の子が――


「ほ、星空君いますか」


と言ったの。


星空って変わった名字だったから、刃だとすぐ分かったわ。


「俺が何?」


て、刃はその女の子の元へ行った。


まぁ、この時から刃はかなり大人びてたから人気はすごかった。


告白もよくされてたわね。


でも、不思議な事に彼女は一度も作らなかったの。


告白されるたびに振っての繰り返し。


だから当時の私達は刃になんで振ってばかりなのか聞いたの。


「教えない」


と一言で終わったわね。


それを聞いて、私は最初に「それは幼なじみとしてどうなのよ」て思ったの。


だけど、すぐにその意味を知ったわね。


たしか、刃とその女の子とどこかへ行った後の事で――



(ここから、回想シーン本番。 留宇さん目線)