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「いや~…、まさかちーちゃんに好きな人がいるとは」


あの後、ちーちゃんに誰なのか二人して問いつめたが、


「ヒミツー!」


との一点張りで結局は教えて貰えなかった。


「あ…でも、ちーちゃんの事は置いといて、この後どうしよぉ~…」


あたしは今家に向かっている。


その最中でも考えてしまうのが、自習での出来事。


"恋"だなんて……


これから、刃の顔見れないかも……


「あー……」


その場でしゃがみ込んでしまった。


「……なな…ちゃん?」


背後から聞き覚えのある声。


恐る恐る振り向くと留宇さんがいた。


「留宇さん!?」


慌てて立ち上がる。


「どうしたの?」


「いえ、ちょっと悩みを……」


「悩み? 良かったら聞くよ!」


「ほ、本当ですか?」


「うん。 それに、ななちゃんの顔が赤くなってるのも気になるしね」


「えっ!?」


すぐに顔をおさえる。


留宇さんはその反応を見たからか、楽しそうに笑っていた。

「じゃあ行こうか」


「どこにですか?」


「私の家」


と、あたしの手を引いて歩き始めた。