「……はぁっ」
あたしは教室で机に寝そべって溜め息をついた。
今日から衣替えで黒から半袖の白のセーラー服に紺のスカート、赤からオレンジ色のラインに変わる。
あたしは夏が好きだ。
だが、ある悩みによってあたしの気分は上がらない。
昨日から刃の事が気になるのだ。
刃と留宇さんを最初はカレカノかと思った時、胸がチクッと痛くなった。
けれど、二人が幼なじみでそれ以上の関係がないと聞いた瞬間心の隅で安心した。
昨日なんて、溝口嬢が刃の手を握りしめている所を見て、離れろと思い、モヤモヤとした。
――この感情は何だろう?
「なーなっ、どうしたの?」
「元気が無いなんて、悩み事?」
「ちーちゃん、利子ちゃん……」
頭を上げて二人を見る。
ちなみに、今は自習で、クラスメートたちは課題で出されたプリントをやったり、友達とおしゃべりをしている。
「良かったら聞くよ?」
「うん、実は――……」
あたしはを二人に話した。