「……もう…ヤダ…」


「……なな大丈夫?」


「うぅ~…」


「……じゃないね」


利子ちゃんはあたしの頭を撫でている。


今は放課後、あたしの中に"絶望"があった。


時は数学の終了時。


「んで、溝口嬢どうしだの?」


「単刀直入に言いますが今日の放課後お宅にうかがわせてもよろしいでしょうか?」


「……無理」


「どうして?」


これ、言わなきゃだめ?


「あたしは居候の身なんです。 だから相手に迷惑はかけたくないと思ってるんで」


「その相手は星空刃さん?」


「だったら?」


「別にいいんですわ。 私は星空刃さんに用があるので」


「……え?」


「だから、私みたいな美少女が星空さんの家にうかがってもご不満はきっとありませんよ」


「……人の話聞いてた?」


「勿論。 では、放課後案内して下さいません?」


「聞いてないでしょ!」


「では、頼みますわね」


「ち、ちょーっ!!?」


言い終わるや否か溝口嬢はどこかへ行ってしまった。


「……ウ、ウソでしょ?」


かみ合わない会話だったのにいつの間にかあたしが案内するということなった。


そして、放課後に至る――