――ガラッ
「HR始めるぞー」
呆然としていた三人だったが、担任の声に我に返り、ちーちゃんと利子ちゃんは席に戻った。
「よーし、今日は"席替え"するぞー!」
……席替え?
「前に、言っといたが全員揃ったらやるという約束だったからな」
と、言った斎藤は教卓の上に箱を置く。
「じゃあ、窓際の席の人から取っていけ」
そして一人一人、教卓の箱から取っていった。
「全員取ったか? 今から黒板に指定した番号と同じ席に机を移動してくれ」
黒板に張り出され席を見て、みんな移動している。
あたしは[16]という番号。
前の席よりは前に動いただけだ。
場所はいいけど、問題なのが、右隣の人だった。
「ふふっ、これからよろしくでございますわ」
「…………うん」
溝口嬢だった。


