「ちーちゃん、利子ちゃんおはよー」


「あ、ななおはよう!」


三年二組の教室に入ると、あたしの席にちーちゃんと利子ちゃんがいた。


「なな、それかわいい」


あたしのバックにつけているキーホルダーを見て、ちーちゃんは言った。


「ホントだ! ……もしかして、刃さんから?」


「うん」


「えぇ~、いーなぁ」


「えへへー」


そう言われると、自慢したくなる。


……しないけど


「ごきげんよう、数田さん」


と一人の女の子があたしの席に来た。


「あ、溝口嬢おはよう」


彼女の名前は溝口美空(ミゾグチミソラ)。


かの有名店・溝口ジュエリーのご令嬢だ。


だからあたしは何気にだが溝口嬢と呼んでいる。


「溝口さんどうしだの?」


利子ちゃんがやや不満げに溝口嬢に聞いた。


「ふふふ、三人共お聞きになって。 実は怪盗ソウド様から予告状が届きましたのよ」


「「「予告状っ!?」」」


「これが証拠でございますわ」


そう言って溝口嬢は予告状を三人に見せた。


その内容は、


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
満月の夜に溝口ジュエリーの緑色のダイヤモンドをいただきにまいります

   怪盗ソウド
___________


と書いてあった。