満月と怪盗と宝石と


え、本物? だよね。


だって先程までの会話は今目の前にいる"怪盗ソウド"に対してのことだ。


それにその格好を見ればなおさらだ。


「……あの、怪盗ソウドは今宵何を盗んだのですか?」


「ん? あぁ、これだ。」


そう言って、スーツ裏のポケットからある物が取り出された。


それはオレンジ色に輝く……


「ダ…ダイヤモンド!?」


「あぁ、そうだ」


あっさり!!


「……初めて見た」


「そうか。……だがこれは俺が探してたものじゃないんだよな」


「……ニセモノってこと?」


「いや、これはれっきとしたホンモノだ」


「……はい?」


意味が分からない。