「なぁ、俺も留宇さんのトコ連れってってー」
「ダメだ。 つーか、担任から呼ばれてるだろ? 行かなくていいのか」
「……あ」
アキラは先ほどの出来事を思い出して固まった。
「アキラは小テストの補習だもんね」
「……ぅ」
二葉に言われ黙り込む。
「え、そうだったの?」
「……健、お前も補習行こう?」
「なんでっ!? 僕赤点とってない!!」
「俺だけ一人にするきかぁ!!!」
若干青くなっている健の腕をアキラは掴もうとする。
「……健を巻き込むな。 アキラは健に対してはひどい扱いするな」
「刃! でも……」
「"でも"じゃねーよ。 それに勉強しなかったアキラが悪い」
「……」
アキラは黙って悔しそうに口をもごもごしている。
ま、図星だったんだろう。
「じーん……」
「健は、悪くないから気にするなよ」
俺は今にも泣きそうになっている健に言った。
「……そういう刃も健に対しての接し方がひどくないか?」
「は?」
「だって……」
二葉に言われ、今の状況に気づく。
「…………あ」
いつの間にか俺は健の頭を撫でていたからだ。


