〈刃side〉

〔今日、欲しいものがあるから買い物に付き合ってくれる?〕


授業が終わったと同時に留宇からメールがきた。


〔了解 今からそっち行く〕


と、返信。


「……刃のメール愛想がないな」


「アキラ、人のメールを勝手に見るな」


そう言って、ケータイをしまう。


「留宇さんから?」


「あぁ、だから俺もう行くな」


「うん、今日は生徒会の集まりはないから」


爽やかに二葉は笑いながら言った。


「なぁ二葉、健は?」


とアキラが聞くと、


「んー…、どこだろう?」


「ここにいるよっ!」


俺の隣から聞こえきた。


いや、さっきからいた。


この三人は高校入学してからできた友達だ。


アキラは茶色に近い黒髪の左側に赤いピンをつけている。


見た目はチャラいが周りからいじられやすい。


二葉はアメリカと日本のハーフ。


生徒会では副会長の役割を担っている。


常に爽やかだから女子に人気がある。


健は男子の平均より小さい。


後ろから見ると女の子と間違われる事がある。


「あ、悪い! 気づかなかった」


アキラの顔に反省の姿はない。