「あなたがななちゃん?」
「あ、はい」
あたしは目の前にいる女の子と向き合う。
栗色のキレイな長髪で少し垂れ目の黒い瞳。
女のあたしから見ても、納得するくらいだ。
すごく可愛い。
「はじめして、私は桃倉留宇(モモクラルウ)です。 刃の幼なじみです」
……え?
「二人って付き合っているんじゃないんですか?」
「はぁ?」
刃が呆れながら言った。
「なな、さっきの会話聞いてたんだろ?」
「……うん」
ごめんなさい。盗み聞きです。
「で、どっから俺と留宇が付き合ってるっていえんだよ?」
「……仲良いから、長いのかなって。 それに幼なじみから恋人同士になるってことも……」
「「ない」」
二人揃って即答!!?
「……お前、ドラマか漫画の見過ぎだろ?」
「刃はそういうのに興味ないものね」
「……」
そこ、否定しないんだ。
「そ、それに美男美女だから周りから見ても付き合ってるって思われますよー……」
なぜだか最後の方は半泣きになっている。
「……ななちゃん」
「?」
留宇さんに肩を掴まれた。


