「つ…疲れた」
夕方から少しずつ暗くなっていく中を歩いている。
一時間刃の話を聞くのはさすがに……
しかも、ちーちゃんいつの間にか帰ってたし!
「どうしよう、このプリント……」
スクールバックに入っている大量の……
溜め息をついた。
……あ、刃に聞こうかな
家にさしかかる曲がり角を曲がろとしたが、
「!」
反射的に隠れてしまった。
何、今の……?
もう一度、覗いてみた。
そこには、刃と向かい合って話をしている女の子がいた。
「あ、あれって桜坂女学院の制服だ」
桜坂女学院とは、この町にある唯一の普通科の女子高だ。
"桜"をメインとしたセーラー服で桃色の襟に白のラインが二本入っていて、桜が散りばめられたキュロットスカート。
リボンは黄色だ。
可愛いデザインだから人気のある高校。
それに、可愛い子がいっぱいいるんだ。
……あの子とはどういう関係なんだろう?
まさかの彼女……?
そう思ってしまうとだんだん不安になってくる。
「刃、ごめんね。 つき合わせて」
「……!」
会話が聞こえてきた。
「気にすんな。 別にヒマだったし」
この会話って……
――チクッ
「いたっ……!」
胸が痛い。


