「いたかっ!」


「いや、こっちにもいない!」


「くそっ、あいからわず逃げ足の速い奴だ!!」


数人であろう声が足音と共に深夜の町に響いた。


「もしかしたら、もうここにはいないんじゃないか?」


「だな。今日はこの辺にしとくか」


「次こそは絶対捕まえてやるっ!」


そう言い、足音が再び鳴り響き、だんだん小さくなってやがて聞こえなくなった。