ガヤガヤと賑わう三年二組の教室。
そのドアの前にあたしは立っている。
あー、久々だから緊張する。
二、三回深呼吸をして……
――ガラッ
「お、おはようっ!」
勢いよくドアを開けて、挨拶をする。
――シンッ
突然の沈黙とクラスメートたちの視線。
だが、それは数秒のことで、すぐに……
「数田じゃん!」
「ななー、久し振りっ!!」
みんな、あたしの元に集まってきた。
「う、うんっ!」
――ガラッ
「おー! 数田、ようやく来たな!」
担任の斎藤が教室に入った。
「はーい! 数田に久し振りに会えて嬉しいとは思うけど、HR始めるぞ!」
ゾロゾロとクラスメートたちは席に戻っていった。
あたしも席に着く。
「話なら休み時間にしろよー! それと、数田」
「あ、はい」
「一カ月以上休んだ分の課題やプリントをもらったから、HR終わったら取りに来いよ」
それと同時に、教卓の上に置かれた、大量のプリントの山……
「………………はい」
その山を見て固まってしまった。


