「ところでさ、ななはどうしたんだ?」


「へ? あー、何か眠れなくて」


「だめだぞー、夜更かしして」


「……ソウドだってそうじゃん」


「俺は満月の夜以外はちゃんと早めに寝てるし」


「ふーん」


話を聞いて思ったこと、


「ねぇ」


「んー?」


「ソウドは普段何をしているの?」


そう聞くとソウドは「んー…」と考えて、


「ヒミツ」


と笑顔で答えた。


「え~…」


「いいじゃん。それに秘密を持っている怪盗って何かカッコよくない?」


「確かに、でも知りたいなー」


「いつかわかる時がくるよ」


「………」


どういう意味だろう?


その言葉を切なげに言った、怪盗ソウドの事を、


今のあたしには知る由もなかった。