「う、うあっ!」
腕を捕まれあたしは前のめりに出てしまった。
――ドシャッ
不思議と痛みがない。
初めは疑問に思ったがすぐにある答えが思い浮かんだ。
……あたし抱きしめられている。
「!? ちょっとは、はなっ……」
「……悪い。少し黙ってくれないか?」
「つっ!!」
この人しゃべるんだ!!
……いや、人だからしゃべるのは当たり前か。
でもいきなりはっ……!
「しばらくかくまらせてくれ」
「……っ」
声は少し低めだ。
でもその声を聞いているとなんだか落ち着く。
あたしは抵抗するのをやめてその腕に抱かれていた。
すると――