―――――――
―――――
―――
――トンッ
俺はその後、隙を狙いダイヤを奪った。
あの睡眠薬はダイヤの代わりとして、置いてきた。
実は、あれは数分しか効かなかった。
屋敷から飛び出した時、追いかけてくる新米刑事を見つけたからだ。
すぐ、撒くことができたけどね。
今、俺は家の敷地内の木の間を飛び回っている。
数メートル先の木に飛び乗ろうとしたら――
「怪盗ソウドっ!!」
……え?
聞いた事がある声が、まさかと思い顔を向けると――
ななが口をあんぐりと開けて固まっていた。
本来、見事に渡りきることができるはずが……
――ガサッ
視線を外したことにより木の中に突っ込むことになってしまった……


