しばらく、満月を仰ぎながら夜風に浸っていると、


――ザリッ


「!?」


突然の音に驚いて辺りを見回した。


よく見てみると、ベランダの部屋側の壁に誰かがもたれかかっていた。


……誰?


よく見ると変わった格好をしている。


白のスーツ姿に黒のネクタイ、それに白い帽子に被っていて、左目にモノクルをはめている。


「……」


あたしはしばし変わった服装の人を見ていた。


すると、その人とふと目が合った瞬間…手が延びてきて、


――グイッ