「……」


なぜ、黙ってんの?


あたし、なんかした?


「……なな」


「はいっ!」


立ち上がりたいのに力が入らない。


これって……


刃は納得したかのようにハアと息を吐き、


「仕方ない」


「わわっ」


あたしを持ち上げた。


「腰が抜けたんだろ。 無理すんな」


「……ごめん」


てゆうか顔、近っ!


刃の顔一個半分低いあたしの背丈。


だが、今は目の前に刃の横顔がある状態。


……誰も見てないしいいよね。


――チュッ


自分の顔を近づけそっと頬にキスをした。


「!」


驚いたのかあたしを見る。


「これからよろしくね」


笑顔で言った。


「……こちらこそ」


そう言って刃も笑った。