「子不幸者ね私。 だからこれから怪盗になってしまう刃に一言言います。 いい?」


「……」


「目的を果たしたら辞める事。 それと探している者ではなかったらすぐに持ち主に返す事」


そう言って母さんは小指を突き出した。


「一言というより約束、ね」


「あー、指切りか」


意味を理解し母さんと同じ様に小指をつなぎ、


「「ゆびきりげんまんうそついたらはりせんぼんのーます、ゆびきった」」


と歌った。


約束を果たすと心に誓い……


その日はちょうど満月の夜だった。



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