満月と怪盗と宝石と


場所は変わっていつもの所。


カフェ・クローバーである。


席につき、話をしたら留宇が呆然として、


「……それ、本当?」


と言った。


「まさかMHを捕まえる手助けをしたのが刃だったなんて」


「……」


何も言えない。


すると、その場で聞いていた奏さんがんー…と唸って、


「残り六つなんだよね。 でも、場所が分からないからしらみつぶしに調べないといけないよなー…」


「「?」」


さっきから何を言っているんだろうか。


「あ、安心して? 情報なら僕が提供するから」


「いや、安心できませんよ」


「奏さん、意味が分からないです」


「……あー…そうだね」


奏さんは苦笑いし、


「単刀直入に言うけど、僕"怪盗"だったんだ」


「「……え」」


「元だけど、タッグを組んでいろいろ盗んでた」


「ウッソだぁ……」


留宇は笑いながら言ったが、フォークを持つ手が震えている。


かなり動揺している。