満月と怪盗と宝石と


「なな」


俺はななの頭にそっと手を添えて撫でた。


優しく、ゆっくりと……


「"近く"にって何だ? 俺は逆に"側に"いて欲しいと思っているんだが」


「……え」


ななが驚いたような声を上げた。


「俺はななが思うほど完璧じゃ無い。 俺だって間違いを犯してしまう事もある」


だから怪盗ソウドがこの世に誕生したんだ。


「なな、大事な事を話す前に聞いてくれるか?」


「……うん」


俺は一息つき、話し始める。























今から5年前――