あたしの決意ってこんなものだったの?


「……っ」


泣きたくないのに涙が目から溢れる。


追いかけようと思うのに、だけどなんて言葉を言えばいいのかわからない。


それがあたしの行動を遮る。


もう駄目かもしれない。


あきらめよう、かな……


『"進むのも退くのも自由だが後悔せんように"』


美恵子さん言葉にハッとした。


そうだ、美恵子さんの前でも言ったのに。


このままだと、情けなさすぎて顔も合わせられない。


ゴシゴシと涙を拭って頭を上げる。


試練ってこの事だ。


目をそらしてはいけない。


向き合うんだ。


あたしは刃を追いかけた。


刃はいつもよりゆっくりと歩いているからすぐに追いつき、叫ぶ。


「……刃!」


あたしの声に刃は驚いたように目を見開いて振り向く。


いまだっ!


――ドサッ