「……いいから」
刃が溜め息をつき、あたしの肩を掴んだ。
「!?」
――ドガッ
「……ぅ」
「わぁっ! ごめん!!」
つい投げ飛ばしてしまった。
実はあたしは背後から肩を掴まれると背負い投げしてしまう悪癖がある。
厄介なのが男女問わずだ。
だから、投げ飛ばした先に木があって刃はそこに突っ込むようにぶつかったのだ。
刃は苦痛で顔を歪ませている。
「そうか…俺が回り込めば良かったのか……」
ぶつかった衝撃でかぶっていた帽子を落としたがそれを気にする様では無さそうだ。
まぁ、正体を隠す意味は無いだろう。
……けど、今何て言ったの?


