昔から空を見上げるのは好きだった。
時間が過ぎていくたびに日に日に色を変えていく……
暇さえあればずっと見続ける事ができると思う。
だが、
……。
「なんでだよ……」
"なな"の顔が思い浮かぶのだ。
笑った顔を見て、俺までも嬉しくなった。
泣きそうな顔を見て、慰めたくなった。
その思いにかられる時が"なな"が近くにいるときだけだった。
幼なじみである留宇といるときとは全然違う感情。
なんと表せばいいのかわからないが、ただ一言でいうと
"特別"。
ただそれだけ。
「……」
あぁ、これが
"恋"
なのか?