――キレイな男の人だな……


それがその人の第一印象。


肩より短めの黒髪にツンッととがった目元に青い目の青年。


「は…はい」


あたしはつい見とれてしまっが、すぐにおかしいと思う。


なぜあたしの名前を知ってんだ?


それに誰かに似ている――


「あ、あのー」


「何?」


「お、お母さん似とかよく言われますか?」


「? それがどうした」


「!!」


やっぱり!


美恵子さんに似ている!!


しばらく呆然としていた。


その様子を見て、


「まさか、"母さん"に何も言われてないのか?」


と、聞かれ


「……はい」


正直に答えた。


そう答えると、ハアッと青年は溜め息をつき、


「刃-ジン-」


「え?」


「俺の名前」


「あ……よろしくです。刃さん」


「とりあえず、ななの荷物は部屋に置いといたから」


いきなりの呼び捨てに驚きながらも、


「あ…ありがとうございます」


平静を装いつつ頭を下げた。