「刃クンと留宇チャンはいつものでいいよね? アキラクンは……」
「俺は何でもいいですよ」
「了解」
ニコッと笑ってカウンターに向かった。
俺達はいつもの席に座る。
「まったく、刃の友達なら私の事知ってても可笑しくないのに」
「刃の蹴りはかなり効く……!」
痛みに耐えているアキラに、
「悪い」
対しての俺の反省は無い。
「それにしてもどうしたの? 珍しいから驚いちゃった」
「あー…」
どっから話せばいいんだ?
ななに正体を知られたとこからか。
いや、アキラがいるしな。
だったら……
……?
「……分からん」
「はい?」
「何かこんがらがってきた」
俺は顔を押さえた。
「えー! なんか刃らしくないわね」
留宇が呆れたように言った。
留宇の言ったとおり、なんかいつもの俺じゃないみたいだ。