満月と怪盗と宝石と


「'嬉しい! 食べてもいいの?'」


「'はい'」


「'だったら俺の部屋入んない? お茶用意するよ'」


彼は部屋の奥へいってしまった。


……。


「お、お邪魔します」


彼の言葉に甘える事にした。


中はシンプルで、ダンボールが積まれている。


そして机の上に置かれている数冊の教科書。


教科書……?


「'……どうぞ'」


「'あ……'」


まさか彼も大学生?


「'あのっカイルさんは大学生なんですか?'」


「'うん'」


あっさり!?


「'……だからさ敬語なしでいかない?'」


「?」


「'俺もカイルでいいから'」


「'は…うん'」


「'じゃあ、よろしくね美恵子'」


――ドクンッ