満月と怪盗と宝石と

〈美恵子side〉

話は当時私と梨緒が大学生の時のこと。


「んあぁ~、疲れた」


通路を歩きながら梨緒は伸びをした。


「そうだ! 今日も家に来ない? お母さん、楽しみにしてるよー」


「いつもごめんね。 でも、私は課題やらなきゃだから遠慮しとくね」


その時の私は施設から離れ、一人暮らしをしていた。


大学のお金は全て奨学金で労っていたからいつもギリギリという状態。


「美恵子、頑張るねー…」


なら仕方ないか、と言った。


その事情を知っている梨緒はいつも家に呼んでくれた。


「そんな事無いよ」


私は笑った。


「'すみません'」


突然、背後から声をかけられた。


英語で。


「「えっ?」」


私と梨緒は同時に振り向く。


「ひゃー、イケメン!」


梨緒は小声で呟く。


声の主は、金髪に透き通ったようなキレイな青い目。


見た目が年上な印象。


整った顔立ちで確かに梨緒の言ったとおりのイケメンだ。