満月と怪盗と宝石と


「それに、梨緒は数学がめっぽうダメでよく赤点とか取っていたわねー……」


美恵子さんは楽しそうに話している。


「……」


美恵子さーん…あたし、所々受け継いでますよ……。


心の隅で母を軽く恨んだ。


「……ななちゃん?」


「はいっ!?」


「もしかすると……」


「い、いやっあたしは赤点はとってません!」


……あ


「自白しちゃったね」


「……ぅ」


正直、泣きたくなってきた。


「ななちゃん、泣かないで? 謝るからぁ……」


オロオロしだす、美恵子さん。


「だ、大丈夫です。 泣きませんから」


そうは言っても声が震えている。


「そうだ! 私のなれそめと刃の事教えてあげる!」


「え?」


あたしは顔を上げ美恵子さんをみた。


美恵子さんはニコーと笑い、


「始めるよ」と言った。