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「……驚かせてごめんね」
美恵子さんは目元を氷で冷やしている。
「いえ……」
「ふふっ、ななちゃんは本当に梨緒に似てる」
「……よく言われますね」
あたしは話題を変えてみた。
「美恵子さんとお母さんって親友としてはどのくらいの付き合いですか?」
「そうねぇ、小学校低学年からかしら」
そんなに長い付き合いだったのか……
「よく、家の事でからかわれてね…そのたびに梨緒がかばってくれたわ」
「へぇ~」
「"美恵子をバカにするなっ!"って、男子達をよく投げ飛ばしてたわね」
「へぇー……え?」
投げ飛ばし……?
そこに耳を疑った。
あたしの様子を見て美恵子さんは、
「聞いてなかったの? 梨緒は過去に柔道の"天才少女"だって有名だったのよ」
と、とんでもない事を言ったのだ。
「すいません、初耳です」
お母さんには「黒歴史だ」って赤面して、話してくれなかったんだよね……


